作成:2021・01・11


お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


 

 3.2 Fマウントレンズ


マイクロニッコールPオート 55mmF3.5 と ニッコール−Qオート 135mmF3.5
マイクロニッコールPオート 55mmF3.5にはオート接写リングPK-3を付けています。
 
 写真部の顧問の先生や、先輩がこのマイクロニッコール 55mmF3.5を持っていて、そのシャープネスに驚いてトラウマになりました。Ai改造しそびれたこのマイクロニッコールPオート 55mmF3.5に後年巡り合って、思わず手を出したのは、1995年ごろですが、このレンズをどこで求めたのかは、思い出せません。非Aiの中間リングPK-3は、行きつけだったお店で見つけました。ゴム巻きヘリコイドなので、1970〜1973年の中期の製品だそうです。
 
 YIYOのニコンFマウント-Mマウントアダプターの重量は75gです。マイクロニッコールPオート 55mmF3.5は、公称237gなので問題ありませんが、ニッコールQオート 135mmF3.5は、公称460gですから、合計で500gを少し超えてしまいます。また、LM-EA7の繰り出し量では、焦点距離135mmは使い辛いものがあります。せっかくなので、今回限りということで使用してみました。
 

1.マイクロニッコールPオート 55mmF3.5



マイクロニッコールPオート 55mmF3.5 試写



ピクセル等倍画像 (部分)

 
驚きの解像力とコントラストが評判のレンズなので、α7RII の画素数ではシャープネスを論評するのは無理です。レンズ性能全般がよいため、描写の美しさも蒸留水みたいにニュートラルです。古い鋳物の地肌がピンボケに見えないのに改めて感心しました。

このレンズの、最小絞りはF22です。

 有名な話なので恐縮ですが、Fマウント用のマイクロニッコール 55mmF3.5が手動絞りで登場したのは1961年で、1980年に、55mmF2.8に交代するまで、自動絞りに対処し、マルチコートを採用し、Ai対応と進化し続けています。マイクロニッコール 55mmF3.5は、Xenotar(クセノター)型という前群ガウス型後群トポゴン型の4群5枚構成で、隅々まで、高解像、高コントラストな画像が期待できるそうです。

 

2.ニッコール−Qオート 135mmF3.5



ニッコールQオート 135mmF3.5 試写


ニッコールQオート 135mmF3.5(等倍)
 
開放では、軸上色収差がシャープネスを損ねているようで、α7RII に対しては限界です。絞って鮮明になるレンズですが、アウトフォーカス部はとても気持ち良く崩れます。
 このレンズは、ニッコールQオート13.5cmF3.5と、焦点距離がcm表示なので、1959年登場の最初のFマウントレンズです。カラーフィルムがまだ一般的でない時代に登場し、1974年にマルチコートを採用し、Newタイプに改良、Ai対応と発展しています。ニッコールQオート135mm F3.5とは同じような外観ですが、鏡胴の材料や構造も変わっているいるので、光学的なブラシアップも随時行われていると考えらえます。
 
 カラーフィルムには物品税が掛けられていて高価な時代でした。風景にはイエローフィルター、人物にはグリ−ンフィルターといった定石を思い出して懐かしくなりました。

 

このα7RII (FW Ver.4.00)とLM-EA7(FW Ver.6.0)での動作なので、記載内容が再現しない場合はご容赦ください。このレンズを取付ける中間アダプターは、Fマウントレンズなので YIYO F-Mマウントアダプターを使用しています。
 

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   更新日 : 2021・01・11.

 

 

    余 談

[メモ]
 Ai Micro Nikkor 55mmF2.8 は、近距離補正機構を持ったガウス型レンズなので、LM-EA7での使用はヘリコイドでピント合わせを優先することに留意しましょう。LM-EA7の繰り出し量は4.5mmしかないので、クローズアップ撮影では必然的にそうなるのですが。

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[ひとり言]
 1971年ごろです。ニコンFTNフォトミックとニッコールQオート135mm F3.5を持っている級友は、人にはなかなか触れさせなかったのですが、それを借りて恐る恐る2カットだけ撮らせてもらったネガを見つけました。背景はシンプルにすべしと彼に指導されたサインペンの跡をみて、忘れていた記憶を懐かしく思い出しました。
 当時のJKが写っていますが、そのネガをマイクロニッコールPオート 55mmF3.5で複写してみました。引き伸ばし用レンズであれば、フィルムの銀粒子を解像できます。マイクロフィルムの作成ができるというこのレンズのふれこみにも偽りはありません。
 
  
      懐かしのネガフィルム(2カット)             部分拡大(反転)

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